中小企業診断士になるには 試験内容を解説!

中小企業診断士の役割は中小企業のサポートです

中小企業診断士の役割は、中小企業の経営をサポートをすることです。
中小企業の役割について、中小企業庁のサイトから抜粋すると、

中小企業診断士の役割とは?

  診断士は企業の成長戦略の策定について専門的知識をもってアドバイスします。また、策定した成長戦略を実行するに当たって具体的な経営計画を立て、その実績やその後の経営環境の変化を踏まえた支援も行います。このため、診断士は、専門的知識の活用とともに、企業と行政、企業と金融機関等のパイプ役、中小企業施策の適切な活用支援まで、幅広い活動に対応できる知識や能力が求められています。

中小企業庁:中小企業診断士とは (meti.go.jp)

私の本業の税理士業のお客様である中小企業(特に零細企業)は、
大企業と違って社長の経営判断をサポートする人材が社内にいない事が多々あります。
社長と現場の従業員という構成が多いためです。
中小企業診断士の役割は、こういった企業お手伝いで入るという感じですね。
もちろん、すでに経営戦略のプロが内部にいる場合でも、
外から見た視点というのはまた違うはずですので
中小企業診断士の意義はあるのかなと思います。

中小企業診断士になるには

中小企業診断士になるには、中小企業診断士試験に合格する必要があります。
中小企業診断士試験の受験資格は、年齢、性別、学歴等に関係なく、だれでも受験することができます。

https://www.chusho.meti.go.jp/shindanshi/2023/230315shindanshi.html

税理士などの他の国家資格は、受験資格に学歴要件や実務要件等があるので、
受験資格がないのは受験の窓口が広がって良いですね。

中小企業診断士の試験制度

中小企業診断士試験の具体的な内容をみてみましょう。
中小企業診断士試験は、1次試験、2次試験(筆記式)、2次試験(口述式)の3段階となっています。
1段階ずつ合格していき最後の2次試験(口述式)に合格してクリアという感じですね。

1つずつみていきましょう。

1次試験について

〇試験日程について
1次試験は、8月上旬に2日間かけて全部で7科目を受験することになります。
回答方法はマークシートです。

【1日目】
経済学・経済政策
財務・会計
企業経営理論
運営管理(オペレーション・マネジメント)
【2日目】
経営法務
経営情報システム
中小企業経営・中小企業政策


〇合格発表について
合格発表は、例年9月上旬となります。

1次試験を合格するには、下記の2つの要件を両方満たす必要があります。

・7科目の総得点が60%以上であること
・いずれの科目も40未満でないこと

要は、7科目の合計点数がどんなに良くても、どれか一つの科目で40%未満のものがあれば足切りを食らうということですね。

加えて、1次試験では、科目合格という制度があります。
科目合格すると、その科目は翌年度と翌々年度の試験を免除することができます。
つまり、科目合格した科目は、受験しなくて済むので翌年度以降の負担が減ります。
科目合格の基準は、満点の60%を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率となります。
    
科目合格制度があるので、複数年かけて合格を目指すという戦略もありえます。
一般社団法人中小企業診断協会に科目免除のパターンの一例がありますので、目を通しておいた方が良いかと思います。

第1次試験科目合格パターン例

2次試験(筆記式)について

2次試験は、1次試験に合格した人(前年に合格した人も含む)だけが受けることができます。

2次試験は、筆記式と口述式の2段階となります。
ここでは筆記式について説明します。

〇試験日程について
2次試験は例年10月下旬の1日で実施されます。
下記の4事例について記述による回答となります。

・「組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」
・「マーケティング・流通を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」
・「生産・技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」
・「財務・会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」

〇合格発表について
例年1月上旬に発表されます。

合格基準については、
・筆記試験における総点数の60%以上であること
・1科目でも満点の40%未満がないこと
の両方が必要となります。

2次試験(口述式)について

2次試験(口述式)は、2次試験(筆記式)を合格した人が受験することができます。

〇試験日程について
2次試験(口述式)は、例年1月中旬に実施されます。

試験の内容は、筆記式で出題された事例をもとにした質問を口頭で回答するかたちになります。
一人10分程度となります。

〇合格発表について
例年1月末から2月頭に実施されるようです。

合格基準については、
60%以上の評定であることが必要になります。
なお、実際のところ、口述試験の合格率は99%以上となっているので
受けたら受かる試験になっているようです。

なお、上記の情報について、中小企業診断協会から情報が出ていますので
随時ご確認した方が良いと思います。

中小企業診断士試験

試験に関する統計

中小企業診断士の公式サイトで試験についての令和4年度までの統計データが公表されています。

過去の試験結果・統計資料

直近の令和4年度試験を見てみると

試験受験者数 17345人 
1次試験合格者5019人 合格率28.9%
2次試験(筆記式)合格者1632人 合格率18.7%
2次試験(口述式)合格者1625人 合格率99.5%

したがって、1発で口述式試験まで合格する率は、5.5%程度でしょうか。
気持ち的には1発合格を目指しますが、実際には複数年かかりそうです。
モチベーションの維持が大切になりそうです。

以上で試験についての解説は終了ですが、
中小企業診断士を名乗るためには、実はもう一段階あります。

実務補修又は実務従事が必要

実務補習とは、指導員の指導のもとで、グループで15日間にわたり、
実際の企業に対して経営サポートをすることとなります。
実務補習は試験ではないので、しっかり参加すれば不合格となることないみたいです。

実務補習を受けなくても、すでにコンサルティング会社等にお勤めで
診断実務に15日間以上従事していている方であれば、それだけで要件を満たします。

中小企業庁:申請・届出の手引き (meti.go.jp)

以上のとおり、1次試験、2次試験(筆記式)、2次試験(口頭式)に合格したうえで
実務補習の受講又は診断実務に従事していれば、晴れて中小企業診断士と名乗れることとなります。

まとめ

中小企業診断士になるためにどうすれば良いのか説明させて頂きました。
中小企業診断士になるためには、下記の要件をクリアする必要があります。

1次試験
2次試験(筆記式)
2次試験(口述式)
実務補習又は実務従事

なかなか、長い道のりになりそうです。
まだ勉強を始めたばかりですが、
資格を取った将来をイメージしてモチベーションをあげていきたいと思います。

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